こんにちは。
大阪市北区の【同心動物医療センター】です。
腫瘍は、ペットによくみられる症状の一つで、良性のものと悪性のものがあります。
「がん」は、悪性腫瘍の一種です。
ペットの高齢化にともない、腫瘍がみられる頻度も増加してきました。
腫瘍は、身体の表面にできるものだけでなく、体内にできるものもあり、その種類はさまざまです。
腫瘍に関する知識を深めて、早期治療につなげましょう。
院長 中島 健介
所在地:〒530-0035
大阪府大阪市北区同心2丁目15−4
Contents
すべてががんとは限らない!腫瘍は良性と悪性があります

細胞はそれぞれ役割を持っていて、細胞がもつ遺伝子のルールにしたがって数をコントロールしています。
しかし、何かの原因で遺伝子に変異が起こると、増え続けてしまう細胞があらわれるのです。
際限なく増えていく細胞の塊を腫瘍といいます。
腫瘍は良性と悪性があり、悪性腫瘍がいわゆる「がん」です。
良性と悪性の違いを詳しくみていきましょう。
良性腫瘍と悪性腫瘍の違いとは

ほかの細胞や組織に悪い影響を与えるかどうかが、良性腫瘍と悪性腫瘍の違いです。
良性腫瘍は、まわりの細胞や組織を押しのけて肥大するのが特徴です。
良性腫瘍は比較的ゆっくりと大きくなり、一度切除すると、同じ場所に再発することはほとんどありません。
悪性腫瘍は、周囲の細胞や組織に染み込むように広がる場合や、血液の流れに乗って身体の中の違う場所へと転移する場合があります。
悪性腫瘍の細胞が全身に広がると、身体の正常な働きを阻害してしまいます。
切除しても再発する可能性が否めないため、注意が必要です。
良性腫瘍は放っておいても大丈夫?
良性腫瘍は、発生した場所で細胞分裂を繰り返して大きくなります。
周囲の細胞や組織の働きを阻害して生命をおびやかすことは、基本的にありません。
まったく症状が出ない場合もあります。
しかし、身体全体への悪影響はないにしても、身体の働きを阻害するような場所に発生した場合は、良性であっても切除することが必要です。
また、良性か悪性かの区別がつきにくい場合は、腫瘍が小さなうちに切除することを検討します。
がんはどのような病気?
「がん」は悪性腫瘍全体を指す言葉です。
「がん」は、
1.がん
2.肉腫
3.造血器腫瘍
の三つに分類されます。
1.がん
皮膚や内臓を覆う膜のように、組織の表面を覆う上皮細胞から発生する悪性腫瘍が「がん」です。
2.肉腫
上皮細胞に由来しない悪性腫瘍で、骨や筋肉などの細胞から発生します。
がんとは異なるタイプの腫瘍ですが、どちらもかたまりをつくりながら増えていき、やがて全身に転移する可能性があります。
3.造血器腫瘍
「造血器腫瘍」は、白血病やリンパ腫などの血液のがんです。
白血病は、血液のもととなる造血幹細胞が、リンパ腫は白血球のうちリンパ球と呼ばれるものが増えていきます。
いずれの場合も、悪性腫瘍は全身に転移が広がる前に治療にとりかかることが重要です。
ペットの代表的な腫瘍と症状
ペットには、どのような腫瘍がみられるのかを知っておきましょう。
犬に多くみられる腫瘍

犬によくみられる腫瘍と症状は、以下のようなものがあります。
なお、記載している犬と猫の発生下腫瘍の内訳は、国内の26箇所の動物病院施設の初診状況を調べた調査結果です。
参照:J-STAGE|日本獣医師会雑誌|国内一次診療動物病院26施設における犬と猫の腫瘍発生状況調査 p469 表3>
乳腺腫瘍(良性のうち19.7%、悪性のうち6.0%)
乳腺にできる腫瘍で、良性と悪性があります。
良性の場合は、小さな硬いしこりができるのが特徴です。
悪性の場合はしこりが熱を帯びていたり、しこり部分が壊死して出血したりします。
また、転移がみられるのも悪性の場合の特徴です。
乳腺腫瘍は女の子で発生することが多く、若いうちに避妊手術をすることで発生リスクがぐっと低くなります。
肥満細胞腫(悪性のうち15.5%)
免疫に関係する肥満細胞が腫瘍化した悪性の腫瘍で、皮膚の表面に発生します。
形や大きさなどに決まりがなく、腫瘍が単独でできる場合もあれば複数できる場合もあり、硬さもそれぞれ異なります。
リンパ腫(悪性のうち14.6%)
リンパ腫は、身体の表面付近にあるリンパ節や胃・肝臓・脾臓などの臓器で発生するがんで、リンパ系細胞が異常増殖して身体の中で悪さをする病気です。
リンパ節に腫瘍ができた場合はリンパ節の腫れが、消化管にできた場合は食欲低下や慢性的な下痢、元気消失、血便、嘔吐などがみられます。
脂肪腫(良性のうち14.8%)
良性の腫瘍で、皮膚の下に脂肪の塊のようなしこりができます。
徐々に大きくなることが多く、脂肪腫ができる場所によっては、歩行困難になったり、ほかの臓器を圧迫することもあるため、そのような場合は切除することが必要です。
悪性黒色腫(悪性のうち7.7%)
別名メラノーマといい、その多くが歯ぐきなどのお口の中に発生する腫瘍です。
初期には小さな黒いほくろのような形をしていますが、悪性の場合は急速に大きくなって潰瘍を作り、出血が伴うようになります。
皮膚と粘膜部分の境目や眼球、爪の付け根付近にもみられる腫瘍です。
猫に多くみられる腫瘍

猫には、以下のような腫瘍がよくみられます。
リンパ腫(悪性のうち44.4%)
猫のリンパ腫は、若いうちに発生するものや、年齢を重ねてから発生しやすくなるものなどさまざまです。
猫白血病ウイルスに感染した場合は、若いうちに発生がみられます。
消化管に発生する場合は、食欲不振や嘔吐・下痢などが症状としてあらわれ、そのほかの場合、貧血や肺炎などがみられることもあり、症状はさまざまです。
皮膚肥満細胞腫(良性のうち41.9%)
皮膚にできるほとんどが良性の腫瘍です。
頭部や首回りに多くみられ、シャム猫など、特定の品種では若いうちから発生することが確認されています。
悪性乳腺腫瘍(悪性のうち11.1%)
犬と同様に乳腺にできる腫瘍ですが、猫の乳腺腫瘍は多くが悪性で、転移率も高いため、早期の治療が大切です。
避妊手術をしていない場合や、プロゲスチンというホルモン剤を投与したことがある場合に、発生率が高くなります。
扁平上皮癌(悪性のうち9.0%)
耳の周りや鼻、目、お口の中などにできる悪性の腫瘍です。
高齢になるほど発生リスクが高まります。
・上記の場所にできものが見える
・口内炎が治らない
・よだれが多い
これらの症状がみられたら、早めに動物病院で診察を受けましょう。
うさぎやハムスターに多くみられる腫瘍

うさぎでは、皮下腫瘍や精巣腫瘍、乳腺腫瘍などがよくみられる腫瘍です。
皮下腫瘍は皮膚の下にできる腫瘍です。
日ごろからスキンシップを欠かさないことで、早期発見につながります。
精巣腫瘍や乳腺腫瘍は、うさぎの場合も若いうちに避妊・去勢手術を行っておくことで予防できる確率がぐっと上がる病気です。
ハムスターは腫瘍ができやすい動物で、高齢になるほど発生率が上がります。
ハムスターの腫瘍は身体の表面にできることが多く、大きさや成長スピードはさまざまです。
根本治療を行うには外科手術で切除しますが、ハムスターは身体が小さく、手術での負担が大きくなるため、慎重に判断します。
腫瘍の検査の方法

腫瘍について詳細を調べるには、以下のような検査を行います。
・身体検査
・血液検査
・尿・糞便検査
・超音波やレントゲン、CT、MRIによる画像診断
・細胞診
・組織生検
まずは全身の状況から、触診できる腫瘍の確認や、腫瘍による身体への影響を調べます。
血液や尿、糞便を調べることで、腫瘍に対する炎症反応や腫瘍の有無などを調べることが可能です。
画像診断は、腫瘍の有無だけでなくその大きさ・位置を把握するために有効ですが、CTやMRIを撮影する際には一般的に全身麻酔を使用します。
全身麻酔は心肺機能を低下させるといったリスクも伴うため、慎重な判断が必要です。
細胞診や組織生検は、腫瘍部分の細胞や組織を採取して観察します。
特に組織生検は、切除した腫瘍から直接情報を得ることができる方法で、腫瘍の種類や悪性度の判断など、多くの情報を得ることが可能です。
組織生検の診断結果を得るまでには1~2週間程度かかる場合があります。
腫瘍はどうやって治療する?

良性で、身体に害がないと判断される場合は経過観察の措置を取ります。
しかし、悪性、もしくはその疑いと判断される場合は、外科手術による切除が基本です。
ペットの体調や年齢を考慮して、手術が難しい場合には内服で進行を遅らせたり、痛みを押さえたりする治療を行います。
手術後の完治をめざして、抗がん剤治療を実施する場合もあります。
外科手術が難しい場合や手術後の完治に向けて、放射線治療によって腫瘍を治療することも可能です。
放射線治療は全身への影響が少ない治療ですが、実施できる施設が限られています。
いずれの場合も、ペットの体調や腫瘍の位置などをしっかり把握した上で治療にとりかかります。
ペットの腫瘍は小さなうちに検査を受けましょう

ペットの身体にできものやしこりを見つけたときには、早めに動物病院で検査を受けましょう。
元気がない、食欲がないなど、体調に変化がある場合にも同様です。
腫瘍を早期発見・早期治療できるほど完治できる可能性が高まり、ペットの身体への負担が少ない治療につながります。
大阪市北区の【同心動物医療センター】では、腫瘍の診断に使用する診断装置やデジタルX線画像診断装置といった設備がそろっており、腫瘍切除には半導体レーザーを用いた出血の少ない治療が可能です。
ペットの身体に異変を感じたときは、お気軽にご相談ください。
ご予約は、24時間ご利用いただけるWEB予約が便利です。




