こんにちは。
大阪市北区の【同心動物医療センター】です。
小さくてかわいらしい見た目と飼育のしやすさから、ハムスターはペットとして人気があります。
中には、小学校などで飼育された経験がある方もいらっしゃるかもしれませんね。
じつはハムスターは、皮膚の病気が起きやすい動物です。
しかし、代表的な症状やその原因を知っておくことで、病気の予防に努めることができます。
今回は、ハムスターの代表的な皮膚病と、その原因・対策についてご説明します。

院長 中島 健介
医院名:同心動物医療センター所在地:〒530-0035
大阪府大阪市北区同心2丁目15−4
Contents
ハムスターの皮膚病は全体の3割!発見したら早めの対処が必要

ハムスターは、ヨーロッパやアジアの、おもに乾燥地帯を原産とする小型のげっ歯類です。
その中でも、ジャンガリアンハムスターやロボロフスキーハムスターなどの小型の種類は特に人気があります。
小さくて飼育しやすいのが特徴ですが、飼育環境や栄養管理が十分でないと、病気になってしまう可能性もあるため、飼育するには正しい知識を身につけることが大切です。
ハムスターの病気の中で、皮膚病はおよそ30%を占めるといわれており、飼育する上で注意が必要です。
参照:J-STAGE|日本獣医師会雑誌|ハムスターの皮膚生検における腫瘍発生率 p387>
脱毛や皮膚の赤みがみられる、身体を掻く動作を頻繁にするような場合は、皮膚病が発生している可能性があります。
そのような場合は、動物病院での診察が必要です。
ハムスターの代表的な皮膚病

ハムスターの皮膚病は、飼育環境や栄養管理を改善することで、発症を予防できる可能性があります。
ハムスターを飼育する上で、どのような皮膚病がどういった原因で発生するのかを知っておくことで、日ごろの健康管理に役立てることが可能です。
ハムスターにみられる、代表的な皮膚病をご紹介します。
ニキビダニ症
ニキビダニによる感染が原因で発症する皮膚病です。
ニキビダニは、ハムスターの赤ちゃんがまだ哺乳を必要とするころに、母親から感染します。
ニキビダニはとても小さく、顕微鏡を使用しなければ確認することは難しい大きさです。
感染後にすぐ症状が出るわけではなく、発症には以下のような要因がきっかけが必要です。
・ストレス
・栄養不良
・幼齢もしくは高齢
・免疫機能の低下
・内分泌異常
・腎疾患
・感染症 など
感染したニキビダニは、生涯ハムスターに常在すると考えられています。
ニキビダニ症が発症すると、
・脱毛
・何度も身体を掻く
・食欲減退
などの症状がみられます。
ニキビダニ症を発症した場合、薬浴やイベルメクチン、ドラメクチンといった寄生虫の治療薬を投与することで、改善を図ることが可能です。
進行すると、全身にほどんど毛が生えていないようなひどい脱毛に発展することもあるため、異変を感じたら早めに治療を受けましょう。
栄養性脱毛
栄養が偏ることで、ハムスターの頭や顔などに脱毛が発生する場合があり、
これを「栄養性脱毛」といいます。
栄養性脱毛は、かゆみや皮膚の赤みといった症状はほとんどみられません。
栄養バランスの偏りが原因であるため、主食やおやつの内容を改善することで、症状も次第に治まっていきます。
適切な栄養管理は、ハムスターの飼育においてとても大切です。
アレルギー

ハムスターもほかの動物と同様に、エサに含まれる原料や、飼育ケースの床材として使用する材料が原因で、アレルギー症状を引き起こすことがあります。
寄生虫感染が確認されず、全身にかゆみや脱毛がみられる場合は、アレルギーの可能性が否定できません。
アレルゲンとして考えられているものが、小麦や床材に使用されるパインチップなどです。
小麦は、人をはじめ犬にもアレルゲンとなることが知られており、ハムスターの場合はおやつとなるスナックなどに使用されています。
パインチップは天然の駆虫剤や消臭剤として使用されますが、パインチップが放出する物質が空気中の酸素と結びつくことで、人や動物に対するアレルゲンとなることがわかっています。
具体的には、
・喘息
・鼻炎
・粘膜炎
・肝炎
などといった症状を引き起こすことがあり、注意が必要です。
アレルギーによって脱毛やかゆみといった皮膚の症状が出ている場合は、アレルゲンから遠ざけたり、ステロイド薬を使用したりすることで改善が期待できます。
ハムスターのアレルギーについては症例が少なく、現在も研究が進められている最中です。
腫瘍
ハムスターの皮膚腫瘍は、さまざまな場所に発生します。
1994年~2001年に動物病院から送付されたハムスターの皮膚にできた腫瘍や炎症組織257例を調べた結果、以下のような報告があります。
・腫瘍発生場所は腹部が多く、ついで胸部、頚部が多い
・腫瘍の良性・悪性の割合は良性の方がやや多い
・頚部にできていた腫瘍は悪性が多く確認された
・もっとも多く確認された腫瘍は「アポクリン腺腺腫」
参照:J-STAGE|日本獣医師会誌|ハムスターの皮膚生検における腫瘍発生率 p387~389 成績>
アポクリン腺は、脇の下付近にある外分泌腺です。
アポクリン腺腺腫は、脇の下付近から胸部、腹部にかけてできる良性腫瘍で、今回の調査ではメスのジャンガリアンハムスターに多く確認されています。
注意しなければならないのは、アポクリン腺腺腫とよく似た悪性腫瘍「アポクリン腺がん」も、腹部や脇の下などで確認されることです。
アポクリン腺がんも、アポクリン腺腺腫と同様に、メスのジャンガリアンハムスターで多く確認されています。
ハムスターの脇の下から腹部にかけて「できもの」が確認された場合は、早めに動物病院で診察を受けましょう。
ハムスターの皮膚病を予防する方法
ハムスターの皮膚病には、栄養や衛生面に注意することで予防できるものがあります。
栄養管理

ハムスターは、粗タンパクが少ないと皮膚病を引き起こしやすくなるため、注意が必要です。
一般的に、食事の18~19%を占める粗タンパクが必要で、摂取量が16%以下になると脱毛や皮膚炎が発生しやすくなるといわれています。
参照:J-STAGE|ペット栄養学会誌|エキゾチックアニマルの栄養学-3.ハムスター p114 3-3給餌>
ハムスターは草食寄りの雑食動物です。
ハムスターの日常的な食事には、専用のペレットを中心に与えましょう。
そのほかに、
・ヒエ・アワ・キビなどの低カロリーの種子
・野菜
・くだもの
・たんぱく質源
などを与えます。
ハムスターといえば「ヒマワリの種」を食べているイメージが強い方も多いかもしれませんね。
しかし、ヒマワリの種は高カロリーであるため、食べすぎると肥満をはじめとする病気の原因になるため、注意が必要です。
また、エサを飼育ケースの中に置きっぱなしにすると、食べては寝ることを繰り返すことで、肥満になりやすい傾向があります。
日中はエサを取り出しておくことで、肥満の防止につながります。
衛生管理

飼育ケースの中は適度に清掃を行い、衛生的に保ちましょう。
食べ残しや排せつ物などが残ったままだと、菌や細菌が繁殖しやすくなり、病気の原因になります。
ただし、子どもが生まれた場合は、母親にかかるストレスを軽減するため、出産の1週間前から出産後の1~2週間程度は掃除を控えることも大切です。
参照:J-STAGE|日本獣医師会雑誌|エキゾチックアニマルの生物学 (XIII) ハムスター類の診療の基礎 (3) p643 15母獣による新生子の食殺>
ハムスターが皮膚病になったときの治療法

ハムスターに皮膚病が確認された場合は、原因を取り除き、必要に応じてお薬を投与して治療を行います。
アレルギーが原因の場合はアレルゲンの除去を、ダニをはじめとする寄生虫が原因の場合は寄生虫駆除薬を投与します。
炎症が激しい、慢性的にみられるといった場合には、ステロイド薬の投与も効果が期待できる方法です。
いずれにしても、原因や症状に合った対処が必要となるため、まずは動物病院で診察を受けることが大切です。
早期発見・早期治療のために健康診断も大切

ハムスターをはじめとする多くの動物は、病気やケガで調子が悪くても、それを訴えることはなく、むしろ隠そうとします。
また、人間と同様に若いうちや高齢になると免疫機能が低下して、ハムスターも病気を発症しやすくなります。
健康診断を定期的に受けることで、「気付かないうちに病気が進行していた」といった事態を防ぐことにつながるのです。
健康診断を受けることで身体の状態を確認できるだけでなく、適切な飼育環境の確認も行うことができます。
家族の一員であるハムスターの健康を守るためにも、定期的な健康診断の受診をおすすめします。
ハムスターの皮膚病は同心動物医療センターへご相談ください

天満の【同心動物医療センター】は、ハムスターの診察も可能な動物病院です。
かゆみや脱毛をはじめとする皮膚病や歯の伸び過ぎ、健康診断など、ハムスターの病気や健康管理は、当院にご相談ください。
ケガなどによる手術が必要な場合にも、対応可能です。
当院は、「桜ノ宮」駅、「天満」駅、「扇町」駅などから徒歩6~8分の場所にあり、お車でお越しの場合は近隣のコインパーキングをご利用いただけます。
コインパーキングは「タイムズ同心」もしくは近隣の「三井のリパーク」へ駐車していただければ、会計時に受付にて最大400円分の無料駐車券を発行いたします。
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