こんにちは。
大阪市北区の【同心動物医療センター】です。
ワンちゃんや猫ちゃんの望まない妊娠・出産を避ける確実な方法が、避妊です。
将来的に子どもを産ませる予定がない場合には、適切な年齢でワンちゃん・猫ちゃんに避妊を行いましょう。
避妊を早期に行うことは、妊娠・出産を防ぐだけでなく、子宮や卵巣、乳腺に起こる病気を予防する効果も期待できます。
今回は、避妊を行う上で得られるメリットとデメリット、適切な手術の時期についてお話しします。
院長 中島 健介
所在地:〒530-0035
大阪府大阪市北区同心2丁目15−4
Contents
早期の避妊で子宮・卵巣・乳腺の病気の予防につながります

避妊は、ワンちゃんや猫ちゃんの卵巣、もしくは子宮と卵巣を摘出することで、妊娠できないようにする方法です。
避妊のメリットはそれだけではありません。
子宮や卵巣が発達しきる前に摘出することで、将来的に乳腺の病気や、子宮、卵巣の病気を予防できる可能性が高くなるのです。
子宮や卵巣、乳腺の病気にはどのようなものがあるのかみていきましょう。
子宮の病気
子宮のおもな病気は、子宮蓄膿症、子宮水腫などがあります。
子宮蓄膿症

細菌の感染が原因で、子宮の中に膿がたまってしまう病気です。
子宮蓄膿症は、犬・猫ともに多くみられる子宮の病気です。
子宮蓄膿症には、膣から膿が排出される「開放性」と、膿が体外に排出されない「閉鎖性」の二種類があります。
開放性は飼い主様が気づきやすいのですが、閉鎖性の場合は目に見えてわかる症状が少ないため、発見が遅くなりがちです。
閉鎖性の場合、以下のような症状がみられます。
・何度も水を飲む、水を飲む量が増える
・何度もおしっこをする
・食欲が低下する
・元気がなくなる
・嘔吐する
・お腹が膨らんでいる
子宮蓄膿症は、放置すると命にかかわる危険な病気です。
高齢かつ避妊をしていないワンちゃん・猫ちゃんは、子宮蓄膿症のリスクが高くなります。
いつもと様子が異なる場合には、早めに動物病院で診察を受けましょう。
治療は、お薬を服用するか、卵巣と子宮を摘出する方法がありますが、根本的に完治するには摘出が必要です。
子宮水腫
子宮水腫も子宮蓄膿症とよく似た病気ですが、子宮の中に膿ではなく液体(粘液)が溜まります。
ホルモンバランスの乱れから発生する子宮蓄膿症と異なり、原因ははっきりとわかっていません。
子宮水腫は、以下のような症状がみられます。
・陰部からおりものがある
・水を頻繁に、たくさん飲む
・何度もおしっこをする
・元気がなくなる
・食欲が低下する
・お腹が膨らんでいる
子宮水腫は、進行すると子宮蓄膿症に発展する可能性がある病気です。
症状を繰り返さないためには、卵巣と子宮の摘出を行います。
卵巣の病気
卵巣の代表的な病気は、卵巣腫瘍です。
卵巣は身体の奥側にあるため、卵巣腫瘍は早期発見が難しく、初期症状もほとんどみられません。
卵巣腫瘍と診断するときには、症状が進行している可能性が高い病気で、原因もはっきりわかっていません。
良性のものと悪性のものがあります。
卵巣腫瘍は、以下のような症状がみられます。
・元気がない
・食欲がない
・毛が抜ける
・陰部から不定期な出血がある
・お腹が膨らむ など
治療には卵巣の摘出が必要ですが、ほかの場所に転移がみられた場合には、経過観察が必要です。
乳腺の病気
乳腺の代表的な病気は、乳腺腫瘍です。
乳腺腫瘍は、乳腺にコリコリとしたしこりが発生します。
一ヶ所だけでなく、複数のしこりがみられることもあります。
初めは小さなしこりですが、徐々に大きくなり、ワンちゃんや猫ちゃんが気にして舐めることで、飼い主様が発見する場合も多いのです。
乳腺腫瘍が進行すると、以下のような症状がみられます。
・腫瘍が腫れて赤くなる
・しこりから出血や浸出液がみられる
さらにそのまま放置すると、腫瘍が潰瘍化して膿が出たり、食欲や元気がなくなり、貧血や栄養失調を引き起こしたりします。
乳腺腫瘍も、良性と悪性がある病気です。
犬の場合は良性の割合が多いのですが、猫の場合は悪性腫瘍が多くみられます。
国内26の動物病院における腫瘍の発生状況の調査を実施したところ、乳腺腫瘍については以下の結果となりました。
・良性(犬):80例(観察された良性腫瘍のうち19.7%)
・悪性(犬):21例(観察された悪性腫瘍のうち6.0%)
・悪性(猫):11例(観察された悪性腫瘍のうち11.1%)
参照:J-STAGE|日本獣医師会雑誌|国内一次診療動物病院26施設における犬と猫の腫瘍発生状況調査 p469 表3>>
特に猫は、乳腺腫瘍の発生に注意が必要です。
治療は、良性の場合は経過観察や切除を行いますが、悪性の場合は基本的に外科手術が必要です。
再発を防止するには乳腺の全摘が望ましいのですが、ワンちゃんや猫ちゃんにとって大きな負担となるため、慎重に行います。
子宮や卵巣、乳腺の病気は早期発見が難しい場合もあり、放置すると命に関わることもあります。
ワンちゃんや猫ちゃんが若いうちに避妊をすることで予防できる可能性が高くなるため、妊娠・出産の予定がない場合は避妊手術をしておきましょう。
避妊で発情による不調も回避できます

妊娠前には犬・猫ともに発情がともないますが、避妊をすることで発情がなくなり、ペットの不調や問題行動も抑制することが可能です。
一般的に、犬は年に数回の発情期がありますが、猫は1月~10月が発情期期間にあたり、また人工照明のもとで1日12時間以上過ごすと、発情期が継続されます。
犬や猫の発情は、人間のように閉経はなく一生涯続くのが特徴です。
ただし、いつまでも妊娠できるわけではありません。
妊娠の可能性は、年齢とともに低下していきます。
発情期間中、犬の場合は、
・陰部からの出血
・食欲の増加または低下
・元気がなくなる
・そわそわする
・頻尿
といった状態が続きます。
猫の場合、犬とは異なり、発情期の出血はありません。
発情の前後で以下のような行動がみられます。
・甘えるような行動がみられる
・頻尿
・大きな声で鳴く
・マーキング など
猫の場合は、不調というよりも昼夜問わず大きな声で鳴いたり、マーキング行動をしたりといった行動が問題になる場合が多いでしょう。
避妊をすることのデメリット

命にかかわるような病気のリスクや発情による不調・問題行動を回避できるのが避妊のメリットですが、デメリットもあります。
避妊によるデメリットは大きく三つです。
・妊娠・出産ができなくなる
・肥満や尿失禁のリスクが増える
・性格が変化する
妊娠・出産ができなくなる
子宮や卵巣を摘出してしまうため、その後、もし飼い主様が希望されても、妊娠・出産を行うことができなくなります。
避妊による一番のデメリットといえるでしょう。
避妊を行う際は、今後、妊娠・出産を予定する機会はないか、よく考えることが大切です。
肥満や尿失禁のリスク

避妊を行うと、ホルモンバランスの変化から肥満になりやすいため、食事の量を調整したり、運動量を増やしたりするなどの対策が必要です。
過去の報告によると、避妊手術を受けた犬の42.2%、猫の35.2%に肥満が認められました。
避妊による肥満は、女性ホルモンであるエストロゲンの欠乏が関係していると考えられています。
また、同じくホルモンバランスの影響によって尿失禁が起きやすくなることもあります。
尿失禁は、先ほどの肥満と同様にエストロゲンが欠乏することが原因で、手術後すぐに起こるよりも、年齢を重ねるうちに起こりやすくなる症状です。
参照:J-STAGE|日本獣医師会雑誌|犬・猫における避妊手術のメリットとデメリット p270 尿失禁または尿閉、体重の変化>
性格の変化
避妊を行うことで、ワンちゃんや猫ちゃんの性格が変化したと感じられる飼い主様もいます。
気性が激しくなる場合もあれば、穏やかな性格になる場合もあります。
避妊を行う際には、メリットだけでなくデメリットも考慮して決断しましょう。
避妊手術の流れ

子宮と卵巣を摘出する避妊手術の流れをご説明します。
大まかな流れは以下のとおりです。
1.事前検査
2.手術前日の絶食
3.全身麻酔による避妊手術
4.入院
5.安静期間
6.抜糸
まずは避妊手術を行う前に、血液検査等を実施して、体調に変化がないかどうかを調べます。
特に問題がなければ、手術へと進みます。
手術の前日の夜は絶食です。
何時まで食事が可能かは、手術の時間により異なるため、事前に獣医師と確認しておきましょう。
手術当日は、ワンちゃんや猫ちゃんをお預かりして、全身麻酔を使用して手術を行います。
全身麻酔のリスクを、あらかじめ聞いておきましょう。
子宮と卵巣を摘出して、縫合すれば完了です。
手術後の入院期間については、ペットや手術の状態により異なりますので、獣医師と相談します。
退院後はしばらくの間、激しい運動やお風呂などは避けます。
エリザベスカラーなどによって、傷口を舐めないような対策が必要です。
およそ1週間~10日程度で抜糸を行い、避妊手術は完了です。
当院では抜糸やエリザベスカラーの必要がない皮内縫合も可能です。ただし過剰に肥満の子や皮膚が薄い子などはできない場合もありますので一度ご相談下さい。
避妊はいつ行うのがよい?
避妊手術は、性成熟が終わる前に実施するのが望ましいとされます。
個体差はありますが、具体的には生後5~6ヶ月が理想的な避妊の時期です。
参照:J-STAGE|動物臨床医学|避妊・去勢手術の温故知新~日常化している手術を再考する~ p130 不妊手術と避妊法そして去勢手術>
もちろん、成長したワンちゃん・猫ちゃんの避妊も可能ですが、発情が起きた場合には、発情期間を避ける必要があります。
発情期間が過ぎるのを待って、検査をして発情が終わったことを確認したあと、避妊を実施します。
犬や猫の避妊はご相談ください

大阪市北区、天満の【同心動物医療センター】では、ワンちゃんや猫ちゃんの避妊を行っています。
病気のリスクを下げるためにも、妊娠・出産を希望されない場合は、なるべく早い段階での避妊をおすすめします。
当院は、大切な家族であるワンちゃん・猫ちゃんの手術の安全性を高めるために、麻酔器や心電図モニターといった必要な設備を整えている動物病院です。
ワンちゃん・猫ちゃんの身体になるべく負担がかからないような手術を行いますので、避妊は当院にご相談ください。






